肩や膝の症状

膝の痛みの原因と慢性化の予防方法

膝蓋骨

こんにちは、名古屋市名東区りんご治療院の奥村です。

今回は膝の痛みについての話です。

人間には指や腕など全身に68の関節を持ちますが、膝の関節は人間が持つ関節の中で一番大きい関節です。

また一見丈夫な作りですが、自由に動けることと引き換えに構造は複雑で不安定で、怪我が起こりやすい関節でもあります。

僕自身も以前膝に怪我を負ってしまいまして、膝の大切さを見直すきっかけにもなりました。

膝を怪我してわかったこと

膝の構造

 

僕は以前プロのスキーヤーとして活動していましたが、練習中に右膝の前十字靭帯と半月板を損傷しました。通常の可動域の限界を超えて負荷がかかる事で損傷が起こります。

スキーヤーではよくある怪我の一つではありますが、しかしこの怪我が致命的となりまして、僕がモーグル選手を辞めるきっかけになった怪我でもあります。

この時は1年ほど接骨院に通院しまして、競技に復帰は叶わなかったものの、整体で全身を矯正してもらうと膝の調子がとても良くなることを実感していました。

膝の痛みなのに、膝を矯正ではなくて、別の箇所を整体するんです。人間の身体は色々な器官がそれぞれ影響しあってバランスがとれているということを実感できた事例でした。

 

2010年の白馬のスキー場のジャンプ台です。2番目に飛んでいるのが僕です。このジャンプでは左膝の前十字靭帯を断裂しました。

 

膝の痛みの原因

膝の軟骨や半月板には血管があまり通っていません。
血管というのは、損傷した部位を治すための材料や栄養を運んでくれる通り道なのですが、血管があまり通っていないと当然栄養を多く運べないために、ケガをすると治りにくい組織です。

そして軟骨と半月板ですが、実は神経が通っていません。
ですので、痛みは感じません。

ついでに言いますと、前十字靭帯も神経がないので痛みを感じません。
しかし画像診断で異常なしでも、神経がないのに膝に痛みや違和感があるケースは非常に多いです。

ですので変形や炎症がない場合は、前十字靭帯や半月板などが痛んでいるわけではなくて、実際は膝の関節周りを支えてくれている筋肉の炎症やバランスのズレが痛みや違和感の原因の一つです。

筋肉が萎縮したり機能不全になると、不安定で動きが悪くなってしまいます。

※ただしすり減った軟骨の破片が滑膜を刺激すると痛みます。
また横方向のズレを防ぐ内側や外側の靭帯は神経があるので痛みます。

 

骨盤の歪み(傾き)が膝に及ぼす影響

骨盤のゆがみ

膝の関節を支える筋肉は、骨盤の前後・内外側からヒザ下まで真っ直ぐにつながっています。上の画像の青と赤の筋肉ですね。

人の身体はこのような構造なので、骨盤の歪み→太ももの筋肉のバランスが崩れる→膝の痛みにつながるということが起こります。

 

◯骨盤が後傾した場合

骨盤が後傾すると、ハムストリングス(太ももの後ろの筋肉)が萎縮します。
すると膝を曲げる力が働いてしまうので、膝が伸ばしにくくなります。

◯骨盤が前傾した場合

骨盤が前傾すると、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)が萎縮します。
すると膝を伸ばそうとする力が働いてしまうので、膝が曲げにくくなります。

このように骨盤が前後どちらかに傾いた状態で膝を曲げ伸ばしすると、筋肉がうまく支えてくれません。これが膝の筋肉の動きに影響し痛みを起こす原因になります。

 

膝の関節包がずれると膝が痛む

関節包

膝の周りには関節包(かんせつほう)と呼ばれる袋が覆っています。この関節包の中には関節の動きをスムーズにする潤滑剤である関節液で満たされています。

しかし膝まわりの筋肉のバランスが崩れると、関節の噛み合わせが悪くなります。
すると膝を曲げ伸ばしするときに、関節包がゆがみます。
関節包には神経が通っているので、ゆがんだり炎症があると痛みます。

 

膝蓋骨(しつがいこつ)が及ぼす影響

膝蓋骨 膝蓋骨

膝蓋骨(しつがいこつ)は皆さんが「膝のお皿」と呼ぶ部分です。

滑車の働きをして、膝を伸ばす力を大きくします。
そのとき、膝蓋骨は大腿骨の溝(太ももの骨)を滑るように、上方向に移動します。

しかし太ももの内側と外側の筋肉バランスが崩れると、膝蓋骨が横にズレるように不安定になります。
すると滑車の動きが悪くなって、健常時より負担が大きくなります。

一般的には膝の内側が弱くなって、外側にお皿が引っ張られてしまう状態が多いです。

 

膝の痛みや違和感を改善するオススメ体操

膝の周辺の筋肉、太もも前後の筋肉のバランスを整えれば膝の痛みは次第にとれてきます。ここからは膝の痛みをとり、予防にもつながるストレッチをご紹介していきます。

太ももストレッチ膝周りの筋肉のバランスを整える体操

 

まずリラックスした状態で膝の屈伸をやってみます。

ここでもし膝が曲げにくいと感じた場合は太ももの前を、

膝が伸びにくいなと感じた場合は太ももの後ろをマッサージします。

また、このストレッチの前にテニスボールなどでお尻を推してコロコロとほぐしてやると、骨盤の傾きが改善されて動きやすくなりますよ。

 

関節の噛み合わせを良くする体操

下半身ストレッチ

次に、椅子に腰掛け軽く膝を曲げ、痛む側の足を前に伸ばして、両手で膝のお皿を上から押さえるように伸ばしてみましょう。これで関節の位置が整います。

次に椅子に足をのせて膝を深く曲げてみます。アキレス腱がすごく伸びているのを感じるかと思いますが、同時に膝周りもしっかり伸びているのを感じてください。

余裕ができたら、重心を前にかけたりします。これで関節の位置が整います。

もし関節の動きがわかりにくいようでしたら、つま先を内側や外側に向けてみて下さい。より感じやすくなりますよ。

 

膝蓋骨(膝のお皿)を安定させる体操

 

膝蓋骨周りの筋肉バランスが崩れると、膝のお皿が太ももの外側に引っ張られて痛みを感じることが多いです。(特に太ももの外側、膝の外上が痛むことが多いです)

そこで、写真のようなフォームローラーなどを使って太ももの外側の筋肉をほぐします。なければテニスボールなどでも良いです。

また軽く膝を曲げて、痛いところを指で押してみて、そこから膝の中心に向かってマッサージしても痛みの緩和に効果があります。

 

膝に負担をかけない優しいトレーニング

膝のストレッチ

出典:日本整形外科学会 

 

膝は栄養や傷を治す成分を運ぶ通り道である血管が多くないので、傷めてしまうと治るまで時間がかかります。そこで膝を優しく動かすことで、関節液の循環を促すことをおすすめします。

膝に負担を与えずにできるトレーニングとしては、「タオル潰し」がオススメです。
太ももの前後の筋肉を同時に使うので筋肉が活性化します。
それによってサポート力が高まります。
また関節を安定させるセンサーとしての役割を高める目的もあります。

そして前後の筋肉が活発になったら次は太ももの内側の筋肉です。内側はジャンプの着地などの強い衝撃のときに活動が高まります。
痛みがなくなったら、軽いジャンプ動作で太もも内側と膝関節を刺激しましょう。

また、同時進行で軟部組織の癒着をとるように、膝周りをつねることも細胞を刺激して関節液の循環をうながすことができるのでオススメですよ。

 

前十字靭帯の損傷の既往歴のある方は・・

前十字靭帯はセンサー(受容器)が発達しています。詳しくはこちら
そのセンサーが関節を衝撃から守り、安定性を高めています。

しかし前十字靭帯を損傷すると、そのセンサーも損傷してしまいます。
そのため変形性膝関節症や不安定感が起こりやすくなります。

足先が外に向きやすい人、片足スクワットで膝が内側に倒れる人は要注意です。膝は曲げ伸ばしは得意ですがひねる動きは苦手です。

しかしセンサーが壊れていると、膝がひねれる限界がわからずに強くひねったりしてしまうことが起こります。繊細な動きも難しくなります。

そこで前十字靭帯の損傷の既往歴がある方は、次で紹介する関節の柔軟性を高める腰割り体操を行う時に、膝が内に入らないように意識することが大切です。

 

 

また日々の生活の中で、階段を下りる時はスネの骨が前にズレやすくなります
特に膝関節が30〜90度の時は、骨がズレないように前十字靭帯が80%安定性に関与しています。
だから靭帯が切れたり緩い人は、その分、筋肉で支えないと膝がグラつきます。

単に鍛えるだけでなく、実際の運動に合わせたトレーニングがお勧めですよ。

 

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