肩や膝の症状

膝の痛みの原因と慢性化の予防方法

膝蓋骨

こんにちは、名古屋市名東区りんご治療院の奥村です。

今回は膝の痛みについての話です。

人間には指や腕など全身に68の関節を持ちますが、膝の関節は人間が持つ関節の中で一番大きい関節です。

また一見丈夫な作りですが、自由に動けることと引き換えに構造は複雑で不安定で、怪我が起こりやすい関節でもあります。

膝の痛みの原因

膝の構造

上の画像は膝のレントゲン写真です。

膝で比較的傷つきやすい部位として、写真の半月板と前十字靭帯があげられます。複雑で繊細な形をしていますからね。どうしても強度が弱いです。

あと膝のショックを吸収する軟骨も骨と骨の間にありまして、ここも損傷しやすい部位として挙げられます。

しかし実は半月板と前十字靭帯、軟骨には神経が通っていません。つまり痛みを感じないのです。

膝が痛いから病院でレントゲンを撮ってみたら半月板に損傷が見つかった場合、病院では半月板の治療が行われますが、「痛みがある場合」は半月板の治療と同時にその周辺の筋肉の炎症やバランスのズレを疑わなければいけません。痛みのサインは神経のない半月板ではなく、その周辺からでているものです。

また、基本的に病院での膝の治療は固定や安静といった方法を取ることが多く、治療が長引けばその分筋力が弱くなり不安定で動きが悪くなってしまいます。

そのため、病院での治療が終えた後も違和感や痛みが残ることがあります。この場合は筋力のバランスが変わってしまった可能性が高いです。

 

膝の痛みは長引きやすい

膝の痛みというのは完治まで治療期間が長くかかります。

これは日常生活で完全に膝を休ませるということが比較的難しいということがありますが、別の理由として軟骨や半月板には血管があまり通っていない事があげられます。

身体に張り巡らされている血管というのは血を運ぶだけではなく、損傷した部位を治すための材料や栄養を運んでくれる通り道なのですが、血管があまり通っていない膝は当然栄養を多く運べないために、ケガをすると治りにくい組織です。

 

骨盤の歪み(傾き)が膝に及ぼす影響

骨盤のゆがみ

膝の関節を支える筋肉は、骨盤の前後・内外側からヒザ下まで真っ直ぐにつながっています。上の画像の青と赤の筋肉ですね。

人の身体はこのような構造なので、骨盤の歪み→太ももの筋肉のバランスが崩れる→膝の痛みにつながるということが起こります。

 

◯骨盤が後傾した場合

骨盤が後傾すると、ハムストリングス(太ももの後ろの筋肉)が萎縮します。
すると膝を曲げる力が働いてしまうので、膝が伸ばしにくくなります。

◯骨盤が前傾した場合

骨盤が前傾すると、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)が萎縮します。
すると膝を伸ばそうとする力が働いてしまうので、膝が曲げにくくなります。

このように骨盤が前後どちらかに傾いた状態で膝を曲げ伸ばしすると、筋肉がうまく支えてくれません。これが膝の筋肉の動きに影響し痛みを起こす原因になります。

 

膝の関節包がずれると膝が痛む

関節包

膝の周りには関節包(かんせつほう)と呼ばれる袋が覆っています。この関節包の中には関節の動きをスムーズにする潤滑剤である関節液で満たされています。

しかし膝まわりの筋肉のバランスが崩れると、関節の噛み合わせが悪くなります。
すると膝を曲げ伸ばしするときに、関節包がゆがみます。
関節包には神経が通っているので、ゆがんだり炎症があると痛みます。

 

膝蓋骨(しつがいこつ)が及ぼす影響

膝蓋骨 膝蓋骨

膝蓋骨(しつがいこつ)は皆さんが「膝のお皿」と呼ぶ部分です。

滑車の働きをして、膝を伸ばす力を大きくします。
そのとき、膝蓋骨は大腿骨の溝(太ももの骨)を滑るように、上方向に移動します。

しかし太ももの内側と外側の筋肉バランスが崩れると、膝蓋骨が横にズレるように不安定になります。
すると滑車の動きが悪くなって、健常時より負担が大きくなります。

一般的には膝の内側が弱くなって、外側にお皿が引っ張られてしまう状態が多いです。

 

膝の痛みや違和感を改善するオススメ体操

膝の周辺の筋肉、太もも前後の筋肉のバランスを整えれば膝の痛みは次第にとれてきます。ここからは膝の痛みをとり、予防にもつながるストレッチをご紹介していきます。

太ももストレッチ膝周りの筋肉のバランスを整える体操

 

まずリラックスした状態で膝の屈伸をやってみます。

ここでもし膝が曲げにくいと感じた場合は太ももの前を、

膝が伸びにくいなと感じた場合は太ももの後ろをマッサージします。

また、このストレッチの前にテニスボールなどでお尻を推してコロコロとほぐしてやると、骨盤の傾きが改善されて動きやすくなりますよ。

 

関節の噛み合わせを良くする体操

下半身ストレッチ

ストレッチで柔軟性を取り戻しつつ、関節のかみ合わせも良くしていきましょう。

椅子に腰掛け軽く膝を曲げ、痛む側の足を前に伸ばして、両手で膝のお皿を上から押さえるように伸ばしてみましょう。これだけで関節の位置が整います。

次に椅子に足をのせて膝を深く曲げてみます。アキレス腱がすごく伸びているのを感じるかと思いますが、同時に膝周りもしっかり伸びているのを感じてください。

余裕ができたら、重心を前にかけたりします。膝が痛む人の多くは日常生活で膝周りをあまり動かしていませんので、膝が正しくない位置に収まっている場合が多いです。ですので、この運動で膝周りを動きやすくして正しい位置に移動しやすくします。

この動作を朝と昼1日2回を2週間程続けてもらえれば以前よりも膝の痛みが和らいでいるのが実感できるかと思います。

もし関節の動きがわかりにくいようでしたら、つま先を内側や外側に向けてみて下さい。より感じやすくなりますよ。

 

膝蓋骨(膝のお皿)を安定させる体操

 

膝蓋骨周りの筋肉バランスが崩れると、膝のお皿が太ももの外側に引っ張られて痛みを感じることが多いです。(特に太ももの外側、膝の外上が痛むことが多いです)

そこで、写真のようなフォームローラーなどを使って太ももの外側の筋肉をほぐします。なければテニスボールなどでも良いです。

また軽く膝を曲げて、痛いところを指で押してみて、そこから膝の中心に向かってマッサージしても痛みの緩和に効果があります。

 

膝に負担をかけない優しいトレーニング

膝のストレッチ

出典:日本整形外科学会 

 

膝は栄養や傷を治す成分を運ぶ通り道である血管が多くないので、傷めてしまうと治るまで時間がかかります。そこで膝を優しく動かすことで、関節液の循環を促すことをおすすめします。

膝に負担を与えずにできるトレーニングとしては、「タオル潰し」がオススメです。
太ももの前後の筋肉を同時に使うので筋肉が活性化します。
それによってサポート力が高まります。
また関節を安定させるセンサーとしての役割を高める目的もあります。

そして前後の筋肉が活発になったら次は太ももの内側の筋肉です。内側はジャンプの着地などの強い衝撃のときに活動が高まります。
痛みがなくなったら、軽いジャンプ動作で太もも内側と膝関節を刺激しましょう。

また、同時進行で軟部組織の癒着をとるように、膝周りをつねることも細胞を刺激して関節液の循環をうながすことができるのでオススメですよ。

 

前十字靭帯の損傷の既往歴のある方は・・

前十字靭帯はセンサー(受容器)が発達しています。詳しくはこちら
そのセンサーが関節を衝撃から守り、安定性を高めています。

しかし前十字靭帯を損傷すると、そのセンサーも損傷してしまいます。
そのため変形性膝関節症や不安定感が起こりやすくなります。

足先が外に向きやすい人、片足スクワットで膝が内側に倒れる人は要注意です。膝は曲げ伸ばしは得意ですがひねる動きは苦手です。

しかしセンサーが壊れていると、膝がひねれる限界がわからずに強くひねったりしてしまうことが起こります。繊細な動きも難しくなります。

そこで前十字靭帯の損傷の既往歴がある方は、次で紹介する関節の柔軟性を高める腰割り体操を行う時に、膝が内に入らないように意識することが大切です。

 

 

また日々の生活の中で、階段を下りる時はスネの骨が前にズレやすくなります
特に膝関節が30〜90度の時は、骨がズレないように前十字靭帯が80%安定性に関与しています。
だから靭帯が切れたり緩い人は、その分、筋肉で支えないと膝がグラつきます。

単に鍛えるだけでなく、実際の運動に合わせたトレーニングが必要です。

 

膝が痛いと感じたら名東区のりんご治療院へ

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名古屋市名東区のりんご治療院では、針・鍼灸・トレーニング・サポーターなどを使い複合的に患者さんの症状に合わせた治療を行います。

生活水準を今よりも引き上げたい方、スポーツで怪我をする前のレベルまでの復帰を目指している方、健康維持が目的の方、それぞれの目的にあった治療方針をご提案しますのでぜひお問い合わせください。

 

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ABOUT ME
りんご治療院 院長 奥村
鍼灸整体師  元プロスキーヤーの経歴を持っています。人間の動作を追求し、怪我の予防、動作改善、リハビリなど幅広く対応可能です。 厚生労働大臣認定国家資格 はり師 第148037号 きゅう師 第147801号 FMS Level Ⅱ(Functional Movement Screen:身体の連動性や癖を評価して動きを改善する) SFMA Level Ⅰ(Selective Functional Movement Assessment:動きから疼痛の原因を評価するテスト)