皆さんこんにちは、名古屋市名東区のりんご治療院の奥村です。
今回は大半の人がやってしまう猫背のお話です。「猫背は見た目が悪い、肩がこりやすい」などのデメリットがあります。
そこで背筋を伸ばすことを意識する方が多いと思います。背筋が伸びた姿勢は、見た目が良く 肩こりには良いかもしれません。
・・しかし無理して猫背を治そうとすることはよくありません。
なぜなら猫背は今のあなたにとって、無理のない自然な姿勢だからです。
ここでは猫背の原因を、筋肉やストレッチ以外から説明します。
猫背になる3つの原因
わざと背中を丸めて猫背になろうという人はいないと思います。
椅子に座ってパソコンを触っていたら「いつの間にか」猫背になっている場合がほとんどです。これは身体の一部が正しい位置に戻らない、正しく動作していない時に他の筋肉の動きでバランスや動作を補うために起こる代償姿勢(だいしょうしせい)と呼ばれるものが原因です。
①姿勢のバランスを取るために
左図は正しい直立姿勢です。
耳からくるぶしまで一直線上にあります。この姿勢であれば、筋肉に負担はかからず、例えるなら「骨だけでも立っていれる状態」です。
そして右図は一般的によく見られる猫背です。
足から見ると、股関節(こかんせつ)が少し前にズレてしまっています。しかしそのままでは重心が前にズレてしまうので、バランスを取るために腰を反らして後ろに戻します。
そして肩から肩甲骨(けんこうこつ)を少し前に戻して全体的なバランスをとるため、背中が丸まった猫背になります。
代償姿勢はこのように身体のズレを他の部位が補うことでおこります。
②呼吸しやすくするために猫背になる
さきほどは直立するための代償姿勢でしたが、人間が生きるために必要な呼吸という動作をスムーズにするときも身体はバランスをとり、代償姿勢で猫背になります。
**まずは試してみましょう!!**
- 背筋を伸ばして口を閉じ、アゴを引いた状態で楽に呼吸します。
- そのまま大きく口を開いて息を吸ってみましょう。
- 口を開くと息苦しくなると思います
- その状態から猫背にしてみると呼吸が楽になりませんか?
なぜ口を開くと息苦しくなるかというと、筋肉は基本的に両端(りょうはし)がくっついています。
舌(した)も筋肉ですが、先端がくっついていない特殊な筋肉なので、舌を上アゴにつけています。
しかしながら口呼吸になると、自然に舌は上アゴから離れてしまいます。それによって舌のつけ根は、喉(のど)の奥に下がって、空気の通り道である気道(きどう)をふさぎます。
すると気道をまっすぐにして空気の通り道を確保するために、アゴを前に出します。前述のとおり、姿勢のバランスをとるため、アゴを前に出すと猫背になります。
③ストレスによる影響
脳の重さは1〜1.5kgで体重の1割に満たない器官です。しかし全身のエネルギーの2〜3割が実は脳で消費されます。とっても燃費が悪いんですね。
そして脳の大敵が「ストレス」です。脳はこのストレスに抗うためにエネルギーを大量に消費します。
もちろんエネルギーは無限にはありませんので、ストレスを感じると筋肉のエネルギー消費を少なくして、なるべく脳にエネルギーを使おうと判断します。
すると筋肉の力をゆるめて、エネルギー消費量が少なくなる猫背という姿勢をとるんです。
親や先生から怒られる時に背筋をピンと伸ばして聞く子供はあまりいないかと思います。どちらかというと全身だるそうな姿勢になる方が多いかと思いますが、あれはストレスに抗うための身体の力を抜いた姿勢なんですね。
脳がフル回転しているときは背筋を伸ばしづらい
人はなにかに集中している時に、姿勢に意識がいってしまうと集中力が下がってしまいます。
細かい手作業の時や考え事をしている時は、背筋をピンと伸ばすより、あまり意識せずにカラダの緊張を抑えた方が集中できます。
そのため没頭しているときは自然と猫背の姿勢をとってしまいます。
運動中も猫背の姿勢になりやすい
運動中に背筋が伸びて反り腰になってしまうと、腹圧がかかりにくくなります。すると体幹を安定させることができないので瞬発的に動けなくなります。
競技などで訓練した結果、背筋を伸ばした姿勢が推奨されている事はありますが、日常で無意識でスポーツをするときは猫背になりやすい傾向があります。
猫背は治すべき?
猫背には色々な要因があることはおわかりいただけたかと思います。
ストレッチや筋トレで凝り固まった筋肉を動かすことは良いことです。それに合わせて筋肉以外に考えれる原因も解決していけば、根本的な改善ができるでしょう。
呼吸やカラダのバランスを整える治療が必要かもしれませんし、ストレスを見直すことも必要です。ただ覚えておいていただきたいのは、
猫背が悪いのは一面的な物の見方にすぎないということです。
猫背を治そうと意識をするということは、猫背が嫌だからですよね?
その嫌だというストレスは脳がエネルギーを消費してしまうので、身体は猫背の姿勢をとってしまいます。
ですので「少しくらい構わないや」くらいの気持ちが猫背を治す第一歩です。
脳にストレスを与えない程度に背中や肩周りのストレッチを行っていきます。森の中や海で気持ちいい時は、自然に背筋が伸びていませんか?
リラックスできれば、自然に背筋は伸びているはずです。
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