スポーツ機能改善

鍼灸師からみるスキーの怪我

スキーの怪我

こんにちは。名古屋市名東区のりんご治療院院長の奥村です。

今回はスキーについてのお話です。私も若い頃からスキーにはまり、スピード感が爽快で中毒になっております(笑)

しかしながら人間の身体への負荷を考えますと、スキー板を履くことにより、生身では出せないスピードで疾走することになりますので、遠心力や地面からの反力が何倍にもなり、転倒した時は、骨折や脱臼など交通事故のような大きな怪我に繋がることが多いです。

また転倒しなくても常に斜面から衝撃があるので休む間はありません。
そのため長い距離を滑った後は太ももがパンパンになったり、日常生活にはない特有の負担が体に蓄積します。

スキーに起こりやすい怪我の部位

スキーに起こりやすい怪我

上の画像は2015年~2016年シーズンに起きたスキーでの怪我の統計です。一番多いのが膝、次に足首などですね。やはり下半身の怪我が目立ちます。

肩や首などの上半身は転倒して地面に接触した時など物理的な衝撃によるものが多く、比較的原因がわかりやすい事故が多いですので、今回は地味に原因がわかりにくい下半身のケガや痛みに対して説明します。

膝の怪我多いのは半月板損傷や靭帯の断裂

スキーを滑っていて疲れてくると膝を曲げにくくなったり、しっかり伸ばせなくなったりします。
滑走中は意外と疲れに気づきにくく、膝の曲げ伸ばしができないまま、捻って靭帯を切ったり、半月板を傷めたりは、スキーで一番多い怪我です。

地味に痛みがでてくるのが腰痛

ぎっくり腰のような突然の症状は少ないですが、翌朝に腰が痛かったり張った感じになることがあります。またモーグルの場合は一般的なスキーよりコブから衝撃を受けるので、腰の負担が多くみられます。

スネキチ(俗称)

ブーツに当たるところのスネが痛くなります。他のスポーツではあまり見られないスキー特有の症状です。

特にハードブーツを使用していると出やすい症状です。

 

なぜ起こるのか

膝の怪我

股関節が曲がらずに後傾気味で滑っていると、体が遅れないように太モモの筋肉で耐えます。太モモの筋肉は膝を支えているので疲労によって動きが悪くなると曲げ伸ばししにくくなります。
私たちの筋肉は常に出力を制限されていて、100%の筋力が発揮された時は靭帯を切ったり骨を折ってしまうことがあります。

私自身も前十字靭帯を2度断裂しています。
写真のようにジャンプの着地でバランスを崩して姿勢を立て直そうとした時に、太ももの筋肉が反射によって急激に縮むことで靭帯を断裂しました。その時の怪我がきっかけで私はモーグルを引退しました。よろしかったらプロフィールをご覧ください。

ジャンプでなくても、急激に後傾になることで同じような現象が起きます。

腰痛

腰痛

スキーで股関節の動きが悪いと代わりに腰で曲げてしまいます。腰は本来、体幹を安定させる構造で、構造的に動きは得意ではありません。
それによって、腰の関節や筋肉に疲労が蓄積して朝起きたときに伸ばしにくかったり、張り感の原因になります。

世界的な腰痛治療の権威のスチュアート・マックギル教授は「背骨は動く必要があるが、健康を保つためには曲げ伸ばしを少なくするべきである」と述べています。

 

スネキチ

スネの痛み後傾になった時にブーツの後方が支点となってスネのスジが伸ばされて炎症がおきます。そして炎症部をタンで押すので痛みます。

足首が曲がっていない状態だったり、硬すぎるブーツで痛みやすいです。
こちらで詳しく書いています。

 

スキーに多い怪我の予防は後傾にならない事

スキーで斜面を滑る時は、股関節、膝関節、足関節をバランスよく同時に曲げることが大切です。(トリプルフレクションといいます)
しかしながらスキーでスピードに怖くなったりして後傾になると、足首や股関節が曲がらずに膝が大きく曲がってしまいます。

逆にいうと、足首と股関節がしっかり曲がれば、後傾にりにくく腰、膝、スネの負担も軽くなります。
スキーの後に「太ももの前が痛い」という方は股関節や足首の曲がりが悪いかもしれません!

股関節の動きを改善する

股関節

膝の関節の構造は、基本的に曲げ伸ばしの一軸上にあるので、捻りに弱いです。
また足首はブーツで動きを制限されているので、基本的に曲げのみになります。
このような理由から股関節の動きがとても重要になります。

股関節は下半身で最も大きく自由度が高い関節です。
股関節がしっかり動くことで、体幹を安定させることができます。
またお尻の筋肉が伸びることでパワーを貯めて(遠心性収縮)、縮む時に爆発的なパワーを生み出すことができます。

 

股関節の筋トレとストレッチ

  1. 股関節をしっかり曲げるためにはデッドリフトがオススメです。
    直立して、後頭部、肩甲骨の間、お尻の3点にストックを添えます。
    (写真はシャベルですが笑)
  2. そのままストックがお尻や頭から離れないようにスクワットします。
    上が◯で下がNGです。
    お尻から離れてしまう人は、お尻を突き出すようにして股関節を曲げることがコツです。
    ストレッチ
  3. 膝を伸ばして行うと、より股関節を重点的に動かすことができます。
    同様に、上が◯で下がNGです。
    ストレッチ

その他、スキーの滑り方についてはこちらで解説しています。

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ABOUT ME
りんご治療院 院長 奥村
鍼灸整体師  元プロスキーヤーの経歴を持っています。人間の動作を追求し、怪我の予防、動作改善、リハビリなど幅広く対応可能です。 厚生労働大臣認定国家資格 はり師 第148037号 きゅう師 第147801号 FMS Level Ⅱ(Functional Movement Screen:身体の連動性や癖を評価して動きを改善する) SFMA Level Ⅰ(Selective Functional Movement Assessment:動きから疼痛の原因を評価するテスト)