首・その他の症状

鍼・お灸で脳の血流を改善!

お灸で脳の血流改善

皆さんこんにちは、名古屋市名東区で鍼灸整体院を営んでいる奥村です。

お灸や鍼って、人によってはものすごく効果を実感してくれる方がいらっしゃいます。そんな方々の中には、「お灸をしたらなんとなく頭の回転が良くなった!」とか「物忘れが改善した」なんて話をされたことがあります。

そんな事あるの~?って思われている方、実はあるんです。

歳をとるとともに脳の血流が弱まり記憶力などが低下する症状について、鍼やお灸で改善する事例が報告されているんです。しかし、科学的な仕組みはわかりませんでした。

鍼灸は脳に良い!

鍼灸が及ぼす脳への影響は世界的に研究されています。
下の写真は足先の目に関するツボに刺激した場合と、ツボ以外の部位の鍼刺激で脳にどのような差があるのかを比べた写真です。

ツボに刺激すると脳の特定の部位に反応(青色)が出ています(写真b)が、ツボ以外の部位では反応が見られません(写真c)

鍼灸と脳の反応Primo Vascular/Meridian System 2016

 

また東京都老人総合研究所による実験においても、ラットの手足に一分間、鍼や灸で刺激をすると脳の血流は1~2割増え、アセチルコリンが約2倍に増えることが確認されました。(大脳皮質から分泌され血流を増やす働きがある物質)
そして、背髄(せきずい)につながる神経を途中で切断すると、脳の血流は改善はしないことも確認されました。
このことから「手足へのはり・きゅう刺激は脊髄を伝わり、脳が反応する」ということがわかり、日経新聞2005年10月10日朝刊にも掲載されました。

鍼灸を併用した脳卒中の治療法

鍼灸で脳の機能の改善

東洋医学で脳卒中は中風といわれ、風の邪気が体に入ることで病気になると考えられ昔から鍼灸で治療されてきました。

しかしながら、鍼灸治療だけで痙性麻痺を抑制することは限界があるので、当院ではリハビリも一緒に行います。

具体的には麻痺した手足のツボに鍼から電気を流して脳の働きを高めます。そして筋肉が緩んで動きやすい状態になってから運動療法を行い、動ける範囲を学習させて回復を図ります。

それによって片麻痺により生じるRSD(反射性交感神経性ジストロフィー)のような二次的障害に効果があると考えられてます。

 

認知症に関する電気鍼の可能性

電気鍼の実験
運動療法と、電気鍼を併用した運動療法で認知機能を比較した研究

長谷川式簡易知的能力評価スケール(HDS-R)を用いて、運動療法と、電気鍼を併用した運動療法とで認知機能を比較した場合、軽度認知症の可能性と言われる11-15点群において電気鍼を併用した方が認知機能の改善が認められました。(実線が電気鍼を併用した場合)

また認知症は記憶中枢である海馬の神経細胞が委縮すると考えられていますが、鍼通電刺激で海馬が活性化するとの報告や、局所脳血流量と酸素消費量、またブドウ糖代謝が亢進することが報告されています。

これらのことから電気鍼は脳に何らかの影響を及ぼしています。特に脳機能をつかさどる大脳皮質や海馬の循環が増加することは、鍼灸治療が脳卒中などの中枢神経疾患や、軽度の認知症の改善に期待できると考えられます。

参考
森 勇樹:虚血性神経障害と鍼通電による代謝活性化の検出
矢野忠、森和:鍼通電刺激が脳血流量および脳代謝に及ぼす影響

 

これからの鍼灸の可能性

脳の図解

手足など体を動かす仕組みは、脳の各部位が司令を発して神経を通じて動かしています。鍼灸では神経の繋がりを活性化させて脳を活性化することで体の動きを促すことを図ります。

鍼灸治療の効果は臨床研究としては症例が少ないことは否めませんが、鍼刺激はリラックス脳波と言われるα波が大脳皮質から発生するので、治療を受けた方の8割は心地よいと感じています。

現在も研究段階ですが、鍼灸のツボの刺激で脳が反応することは医学的にも認められおります。今後、どのツボが脳のどの部位を活性化するかなどの研究が進むことで、鍼灸の治療効果はさらに高まっていくでしょう。